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帰宅した俺は部屋に鞄を置き、ある場所へと向かう。
水族館アリス
アリスってのは俺の名字が「有須」だからだ。親父の経営してる水族館で、バイトがてら手伝いに通っている。そこそこ人気はあるようで、今日も平日にもかかわらずそれなりに賑わっていた。
いつも通り作業着で、いつも通り掃除して、いつも通りなんかキモい男に写真撮られてる……。
「やめてくれますか。キモいです。魚見ないなら帰ってください」
「に、入場料は払ってるんだからいいじゃないかっ!そして怒ったれんちゃんも素敵だなぁ……///」
どうやら頭がおかしいらしいので無視してその場を後にした。
その日も何事もなく仕事は終わり、俺は二度目の帰宅をした。
「蓮くん蓮くん!お菓子とジュースのフタ!開けっぱなしで出てったでしょ!どっちも湿気っちゃってるよー!」
玄関に入った途端、姉に怒鳴られた。
「あぁごめん優(ゆう)。あと、ジュースは湿気しかないでしょ」
「前みたいにお姉ちゃんと呼びましょう!」
自分のミスに関しては振り返らないし改めもしないようだった。
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