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次の日、学校へ行くと校門で梨子が待ち構えていた。
「ちょっと。私アンタのために何回アドレス変えればいいのかしら」
体格は至って平均の俺に対して見上げるように彼女は言った。
「だったらあの脅迫メールやめたらいいだろーが」
「……それに!最初の頃こそまだ文章として成立してたから良かったけど、今では心配されてるのか脅されてるのか分からんからなあれじゃあ!」
つい熱くなる。直接不満をぶつけて少しスッキリしたところで瞬が合流する。
「おはよー二人とも!あれ?梨子ちゃんもしかして背伸びた?」
お前それ会うたび言ってる……とは言えず、嬉しそうにしてる梨子を横目に瞬を引いて校舎へ向かう。
梨子の制服を見てふと思い出す。
「なぁ、お前らさぁこの学校の女子生徒で……」
昨日のイルカの子の特徴をなるべく詳しく話してみた。
「「それってもしかして、空見恭子先輩?」」
少しの間を空けて、揃った声とセリフが上と下から発せられた。
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