第1章

3/40
前へ
/49ページ
次へ
「実はね、この学校の伊藤先輩にキス迫られちゃってさぁ…」 「はぁーーっ?」 ニヤけた笑みが吹き飛んだ琴美が、素っ頓狂な声を上げた。 私は慌てて、「してないよ」と付け足す。 「ふぅーん?」 琴美が、訝しげに声を上げた。 あ、怪しまれてる…! 「伊藤先輩から助けてくれた人が…いたんだけどね」 「うん?」 まだ続きがあるの?と言いたげに、琴美が首を傾げた。 私は、例のヒーローにキスされたことを言おうか迷った。 もし言えば、一生のネタにされるかもしれない。 だって、琴美はワイドショーが好きな人だから、こういうのを一生ネタにしてからかわれるかもしれない。 「何よ?言いなさいよ」
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

532人が本棚に入れています
本棚に追加