532人が本棚に入れています
本棚に追加
「実はね、この学校の伊藤先輩にキス迫られちゃってさぁ…」
「はぁーーっ?」
ニヤけた笑みが吹き飛んだ琴美が、素っ頓狂な声を上げた。
私は慌てて、「してないよ」と付け足す。
「ふぅーん?」
琴美が、訝しげに声を上げた。
あ、怪しまれてる…!
「伊藤先輩から助けてくれた人が…いたんだけどね」
「うん?」
まだ続きがあるの?と言いたげに、琴美が首を傾げた。
私は、例のヒーローにキスされたことを言おうか迷った。
もし言えば、一生のネタにされるかもしれない。
だって、琴美はワイドショーが好きな人だから、こういうのを一生ネタにしてからかわれるかもしれない。
「何よ?言いなさいよ」
最初のコメントを投稿しよう!