第1章

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「黒田くんと?」 私の一言で、琴美は耳の端まで顔を赤くした。 黒田龍二(くろだ りゅうじ)。 琴美が今、思いを寄せているクラスメイトだ。 何でも、学年1モテるイケメンだとか何とか。 「ンな訳ないわよっ!」 「え、でもすきなんでsy―――もがっ」 言いかけた私は、怖い顔を浮かべる琴美に口を塞がれて黙る。 「あとで好きな物おごってあげるから、それ以上言わない!」 「ビンゴ?」 そっと聞く。琴美がそっぽを向いた。 「そりゃ、好きだけど…キスはしてない」 琴美がボソッと言った。 さすがに片想いだし、キスはしないんだ。 「じゃあ、誰としたの?」
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