1.望め。

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いつの間にか意識は途絶えていたようだった。 少年は、瞼の裏に淡い日の光を感じて目を覚ました。 「ん…?」 体を起こすと、少年は見知らぬ部屋にいた。 カーテンの隙間から、心地よい日差しが入ってくる。 「僕は一体…。」 少年があれこれ考えていると、ドアの向こうから人の声が聞こえてきた。 ガチャとノブが回されると長身の男が二人、話しながら部屋に入ってきた。 「目が覚めたのですね。」 二人のうちの一人が、少年に歩み寄る。 眼鏡をかけた優しそうなその男は、少年ににこりと微笑んだ。 「あの、ここは…。」 少年は小さく弱々しい声で男に尋ねた。 「詳しいことは後程…。まずは、食事をどうぞ。」 男がそう言うと、ドアの側に立っていたもう一人の男が料理を持って向かってきた。 「まぁ、食べろ。あまり食べてなかったようだしなぁ?」 愛嬌のある笑顔で微笑むと、もう一人の男は、持っていた料理を少年の膝の上に乗せた。 「あ、ありがとうございます。いただきます…。」 「ウチの飯は美味いからな!たくさん食うといい。」 少年は、膝の上に置かれたパンとスープを少しずつ食べ始めた。 「美味しい…。」 かれこれ何日もまともな食事をとっていなかった少年の体に、温かなスープが染み渡る。 「だろ?」 「食べ終わった頃にまた来ますね。」 「あ…、はい。」 眼鏡をかけた男がそう言うと、二人揃って部屋を出ていった。
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