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「そんな・・・!!」
己一の意外な反応に、私は思わず驚きの声を漏らした。
こういう反応を示してしまう時点でダメ。
私の気持ちはもう決まっている。
だから・・・。
「本当にごめん。
もう己一と一緒にいるのが辛いの・・・。」
この言葉は嘘。
一緒にいれば温もりと優しさを与えてくれて、私の事を一番に考えてくれていた。
だけど小さな不満が積み重なり、私の気持ちは少しずつ揺れ始めてしまったから・・・。
あの夜慧から電話が掛かってこなければ、きっと私は揺れる事はなかった。
自己暗示を掛け続け、ずっと己一の事を思っていたはず。
そして己一も、私の過去に対する不安を抱く事なく束縛する事もなかっただろう。
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