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「それって・・・、笑美の誕生日に電話してきた奴の事・・・?」 己一はずっと胸の中に燻っていた疑問を私に吐き出した。 あの時私が慧の事を擁護してしまった理由。 それはまだ私の中で慧への気持ちが完全に割り切れていなかったからだ。 そして私が傷付けまいととっさに庇ってしまったのは、同じ空間に一緒にいた自分の恋人ではなく、電話の向こうにいる過去の思い人だった。 己一の束縛が顕著に見られるようになったのはこの頃から。 きっと彼は私と慧の関係をずっと疑い続けていた。 そして自分の下から私が離れて行く事を何よりも恐れて・・・。
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