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できれば繋ぎ止めておきたい。
だけど、恋人としてこれ以上一緒にいる事はできないだろう。
そんな私のエゴを己一が受け入れてくれる訳がなかった。
己一が求めるのは“恋人”としての私。
きっとそれ以外の関係は、今の彼には必要ない。
「嫌いになれないなら、どうして別れ話なんか・・・。」
己一は曖昧な私の言動に苦笑しながらも、必死に涙を飲み込もうとしている。
公衆の面前で男が泣くという事は恥ずかしい。
そういう無駄なプライドだけは一丁前に持っているのか、己一は目を赤くしながらも必死に泣き出しそうな気持ちを抑えていた。
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