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シャワーのお湯を出し、頭からその温いお湯を浴びる。
花火大会でのデートを楽しみに、私は今日ばっちりメイクを決めてきたはずだった。
だけどそのメイクもお湯に流されて、そして・・・。
「・・・っく。
ううっ・・・、ひっく・・・。」
どうしてだろう。
こんなにも涙が出てくるなんて・・・。
己一のために可愛くなろうと頑張った。
だけどこの数時間という短い時間の中で、私の心は別の人の事を再び思ってしまっている。
慧の事が好き。
これは紛れもない事実。
だけどその事に気付かされたのは、お互い同じ時期に失恋し同じ傷を抱えた釈迦敷さんのお陰だった。
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