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自己暗示をかけ、自分を束縛する己一への思いを薄れないよう必死になっていた私。
釈迦敷さんに唇を奪われなければ、きっとそんな自分の本心を認める事はできなかっただろう。
慧から電話が掛かってきたあの夜。
あの瞬間を境に、きっと私の思いは変わっていた。
愛しいと思っていたはずの恋人より、報われない曖昧な関係の男を無意識に選んだ。
全てはマインド・コントロール。
自分自身の意識操作によって本心を誤魔化していただけ。
本当はまだ、慧の事を忘れていなかった。
そしてその思いは、今も変わらず愛しさで溢れている。
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