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「で・・・、さっき言ってた話って?」
話題を切り出したのは己一だった。
口数の減った私の様子に居た堪れなくなったのか。
それともこれから訪れる“別れ”を察し、もう覚悟を決めてしまったのか・・・。
私は己一と視線を合わせる事ができなかった。
ただじっと改札を抜ける人々の様子に目を向けながら、ゆっくりと自分の本当の思いを彼に話し始める。
「私、己一と一緒にいられて本当に幸せだったよ。」
「うん・・・。」
「だけど正直言えば、ここ半月くらいはずっと辛かった。」
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