第1話

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「ま、そう言う訳だからしばらく頼むわ」 何を頼まれたのか分からないが、父がそう切り上げてしまったのでその話はそこで終わってしまった。 葦華も葦華で「あいあい~」なんて了承なんだかただ聞き流しているんだか分からないような返事してるし。 まあ、「頼むって何を?」なんていちいち聞くことも無いし、ここで引き留めるほど僕はお父さん大好きっ子じゃない。 大体、父なら「頼むって何を?」の問に対し、ニヤリとしながら「世界をだよ」とか答えかねない。 つまり、真面目に答えるとは思えない。 つまり、話が長引くだけ。 つまり、聞くだけ無駄。 「なんか今失礼な事考えただろ息子」 なんか無駄なところで鋭いな、この人は。 「いやまさか」 「いーや、考えた。絶対考えたぜぇ。やだねぇ、反抗期かよ?」 話聞けよ。 最早被害妄想みたいだ。
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