第1話

16/19
前へ
/19ページ
次へ
さて。 話は少し飛んでその日の夕時。 「はぁ!?明日から居ない!?理由は秘密!?はぁ!?」 「いや、秘密じゃなくてヒミツだぜぇ、マイスイート」 「はぁ!?発音とか気にしてる場合!?」 「俺的には気にしてる場合なんだよ。こだわりがあるんだ」 最初は自分もカタカナ発音では無かっただろ。 なんて口を挟める剣幕では無かった。 母だけが、だが。 「私的には明日から居ないって事の方が気にしてる場合よ!!」 「理由の方はいいの?ママりん」 全く気にせず口を挟める葦華は、恐い物知らずなのだろう。 いや、何も知らずと言った方が早い。 「そんなもの、浮気とかじゃないのなんて判りきってるからいいのよ!!」 「当たり前だろぅ?俺の愛する女はお前だけだぜマイスイート」 「そんな事、知ってるわよ!!」 なんて会話だ。 これが二児の親の会話(しかも自分の両親)だと思うと非常にキツイ。 「しばらく居ないなんて!!寂しいじゃないの!!」 おふっ。 「ごめん父さん母さん…もうギブしていいかな…」 これ以上続けられたら… 考えたくもない。 「あー、兄っち野暮いー」 あぁ、僕が野暮で悪いって事でいいからもう勘弁してくれ。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加