第1話

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「適当が大事…?何言ってるのさ、父さん。何事もちゃんとしておいた方がいいに決まってるじゃないか」 「へっ、何事もちゃんと、か」 そう言うと父は再び画面の方へと顔を向けた。 「ま、学生のうちはその方が良いのかもな。1足す1が、ちゃんと2になってた方が」 「?」 意味が分からなかった。 1足す1は2じゃないか、それ以外何があるのかと。 僕はこの時の父の背中には聞けなかった。 なんだか、その答えを出す自分が間違っているような気がして。 あと、ニュースを見ている父の邪魔をするのも悪い気がして。
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