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「空腹」
そんな僕と父の居るリビングに、突然現れた影。
「おう、娘。おそよう」
娘。
そう、今現れた影の正体は僕(今更になるが、凪原影(なぎはら、えい)という)が妹、葦華(あしか)である。
名前のわりに泳ぎは苦手。
苦手というか悪魔の実の能力者なのではないかと疑うほどに泳げない。
「…葦華、いくら日曜だからって昼間まで寝てるなよ」
と。
僕は至極全うな事を注意した。
次の瞬間僕の目前には葦華の額が迫っていた。
僕は至極全うな事を注意した。
はずだよ、な?
なんで僕ベッドバッド受けてるの?
「あーあ。息子よぉ、お前ももう15年も一緒に生活してんだからいい加減学べよ。空腹時の、空腹児の娘に何かを注意するべからずってな」
父がヘラヘラと言う。
いや、鼻血流してる息子見てヘラヘラしないでくれ。
「うるさいよ、兄っち…頭固いこと言ってないで早く食べ物を…」
いや、お前の頭の方が固かったよ。
少なくとも簡単に鼻血出るレベルで。
「さもなくば…お前を喰らう…!!」
ヤバい目がマジだ。
僕は台所へ走った。
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