君の痕跡

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トントントン 規則正しい動きの包丁 人って変わらないもの リズム 景色が苦手で ずっとそれが続くと頭おかしくなってまうねんて 今度亮ちゃんに試してみたいけど ずっと話されへんままは嫌やなー 「あ、指切っちゃった」 「え? なんか言った? おれ この時間にテレビ見んの久々やわー お前どうせテレビばっか見てるんやろ」 「あーうん 亮ちゃん出てるやつは見てるよー」 「なんそれ」 へんっ と笑ってお先に出した野菜スティック食べてる亮ちゃんああああ 俺の家畜になって!! ああ落ち着け忠義 そんなんこれからして行けばいいんやんか んふ 亮ちゃんの分のグラスにはいつもの薬を入れて 「お待たせー」 「んおー!うまそーやん! いただきまーす」 「かんぱいしてへん…」 「なんの乾杯やねん」 あっ 揺れる喉 俺のいれた液体を君が飲み干す瞬間いつもやねんけど いつも 軽く性的な興奮を覚える ごめんね亮ちゃん、気持ちの悪い僕でごめんね だってこんなに! 不用心に 亮ちゃんは何が入ってるか知らないから そんなに危ないものが入っている液体を そんなにゴクゴク飲んで! 「ん、この冷しゃぶサラダうまい」 「この生ハム前買ったんやけど 抜群にうまかった」 「お前 味音痴やからなー」 「うるさいわー!」 「あれ、なんかアルコールきつない、こ…………」 アルコールもあいまって 効き目強めでお送りしてるお薬の 用法用量を俺が守るわけなんてなくて いつも卒倒 バタン、と床に伏せた僕の可愛い君 「人とお酒飲んでる時に寝るとか最低やん 亮ちゃん!」 可愛いお口に指を突っ込んで歯列をなぞる さあ楽しいのはこっからや
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