そして一年が経つ

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「…一週間かぁ。何事もなければいいんだけどね。」 窓から外の喧騒を見ながらため息をつく。ちょっとだけナーバス気味な今日この頃です。 「にゃはは、見事なフラグを建てたものですにゃー。」 「っ!!だれっ!?」 いつの間にか背後に褐色の猫耳少女が立っていた。 話しかけられるまでなんの気配も、魔力の流れすら感じることができなかった。相当な手練れであることは間違いないかもしれない。 …フラグ回収早すぎない? 「そう身構えにゃいでよー。ヴァンパイアが珍しくて見にきただけにゃんだから。」 「ただの野次馬が気配を断って近づいてくる?ありえないよ。」 「にゃー、それは職業柄仕方のないことだから目をぶってくれるとありがたいかにゃー。」 と、言って猫娘は椅子に座った。その動作にも一つの無駄がなく、流れるように移動していた。 この人は本当に何者なんだろう。
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