そして一年が経つ

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「それよりも、今大変なことが起こってるって分かっているのかにゃ?」 「大変なことって…。ここに一週間も足止めされること?」 もしくは僕にあてられた犠牲者たちが今も宿舎のドアを叩いていることだろうか。 正体不明の猫娘は階下からの音に苦笑いして、 「違うにゃ。…いいかにゃ?今この町には北へ逃げるために、南大陸中の魔族が集まっている状態だにゃ。」 「それで?」 だからこそこんなにも待ち時間が発生しているのだ。それの何が大変なことなんだろう? 「誰とは言わにゃいが、魔族を滅ぼそうとしている奴からしたら絶好のチャンスだと思わないかにゃ?なにしろここさえ落とせば、南大陸の魔族は駆逐したと言っても過言じゃにゃいからにゃ。」
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