そして一年が経つ

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「うううぅぅぅぅぅ。」 思わず、うずくまる。僕のためだって事は分かってるけど、一言も教えてくれなかったのはちょっとだけ悲しいかな。 「ショックを受けてるとこ悪いんだけど、話を戻してもいいかにゃ?」 誰のせいだと。うん…白弥さんだね。あとで絶対に夜々さんに色々脚色してちくってやる。 「うん、大丈夫。」 「にゃー、実を言うと進軍してるっていうのは事実なんだにゃ。すでに到着まであと4日ってところまで来てるって話だにゃ。」 「もうそんなに近くまで!?はっ、早くみんなに知らせなくちゃ。」 焦る僕とは対照的に猫娘は笑顔のままだ。むしろ笑みが深くなったように感じる。 「今夜、街の長から通達がでるにゃ。でも危機とはだれも思わない。人間が幾ら集まろうともただの有象無象が魔族に勝てるはずも無いからにゃ。」
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