そして一年が経つ

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猫娘の言っていた通り、町長から非常警戒警報が出された。 「人間の軍隊がが攻めてくるので、各自備えるように。」とのことである。 僕が懸念していたようにはならず、警報に対する反応はとても薄かった。むしろ人間の軍団が攻めてくるだけか、と安堵している者もいた。 恐ろしいのは勇者とその一行であって、ただの人間など歯牙にもかける必要はないと思っているようだった。 唯一頭を真剣に捻っていたのは、全身を包帯でぐるぐる巻きにされた白弥さんだった。 別に大けがを負っているというわけではなく、夜々さんによる罰の一環なので何の心配もいらない。と夜々さんが言っていたので深くは追及しまい。 ともあれ猫娘の情報が正しいならば、軍隊が攻めてくるのは4日後である。それまではゆっくりと休むことにしよう。 窓から朝日が差し込むのを見て、僕は眠りについた。
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