燃えろ萌えろ天高く

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3時間前――――― 「人間どもがやってきたぞ!」 太陽が真上で輝く頃、平野の彼方に土煙がもうもうと立ちこめながら進軍してくるオーシデンス軍を見張りが発見した。 いや、本当にオーシデンス軍だけなのだろうか。夜々さんに起こされ、僕は眠い目をこすりつつ宿屋のテラスから眺めてみた。外には慌ただしく配置に着く同胞と、おびただしいほどの人間の兵士がずらりと並んでいた。 その数は優に10万を超えていた。と白弥さんが言っていた。しかし10万と言ったらオーシデンス軍の殆どを動員しなければならないが、流石にそれほどの数を遠征させることはできない。 つまり、他の国々も参加している可能性が大いにある。 僕も防衛に加われれば良いのだけど、ヴァンパイアにとって日の光は数少ない天敵である。 そのため僕は部屋に篭って夕方になるのを待つ。…眠いし。いや、うるさいから眠れないんだけどね。白弥さんや夜々さんは僕を起こすとすぐに防衛に向かっていった。
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