燃えろ萌えろ天高く

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部屋の奥で太陽の光を避けるように丸まっていると、女将さんが駆け込んできて言った。 「人間どもの先頭に勇者が見えるらしいから、あんたもすぐに移動できるように支度しておきなってエルフの旦那からの言伝だよ。あたしもすぐに逃げれるようにしとかなきゃいけないから、悪いけどあとは一人でどうにかやってくれよ。」 そして慌ただしく下の階に降りていってしまった。 勇者?…大悟?なんでこんなところに? いや、なんでいるかなんて考えてる暇などない。 大悟がすぐそこにいるんだ!もう一度話せるんだ!! 気持ちが逸る。太陽の光なんてこの渇望感の前には大した意味を持たない。 外に出ると、太陽の光が肌を焼く。髪を燃やし、全身から魔力が失われていく。けれども心まで焼くことはできない。今の僕の頭の中には大悟の事しかなかった。 一気に千メートル近く上昇する。アッという間に町が、軍隊が小さくなっていく。大佐じゃないけど、人がゴミのように思える。
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