燃えろ萌えろ天高く

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あの攻撃は明らかに僕を狙い、そして殺すための一撃だった。 「なんでなのっ。」 俯いて声を漏らす。頬に涙が伝い落ち、はるか下の大地に吸い込まれていく。 恐怖が一段落すると、次に疑問が浮かんでくる。大悟であれば、魔力を感じ取って飛んできたのが僕だとわかっていたはずだ。それなのに。いいや、だからこそ撃ってきた気さえする。 「なんでっ、なんで攻撃してくるのさっ!!大悟!」 声のあらん限りで叫ぶ。今度はしっかりと大悟に顔を向ける 返答は非情だった。大悟は両の掌を重ね、僕に突きつける。そして唇が動き手のひらが輝き始めたところで、僕は悟った。あれは大悟じゃない。精巧に似せられた人形に決まってる。 姿形が同じだけで、本物の大悟であるはずがない。そうだ。それ以外ありえないんだ。 ダッテ大悟ガ僕ヲ攻撃スルハズナインダカラ。 僕ヲ殺ソウトスル大悟ナンテ大悟ジャナイ。
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