燃えろ萌えろ天高く

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魔法とは自然の摂理を捻じ曲げ、自然を意のままに操る禁断の業である。 しかし、魔法によって荒らされた空間のどこに自然があるというのか。一度歪んでしまえば元にはもう戻れない。 そんな場所は異形というしかないだろう。 二人が争う場所に、もはや原型など残っていなかった。 僕から放出された闇は幾百の腕となり、地面や空気を消滅させつつ大悟を呑み込まんとする。 その腕を遮るように大地がせせり上がり、崖が形成される。 腕は崖に数に見合った穴をあけ、侵食し呑み込んでく。 が、腕が崖を突き抜けるより早く粒子の大瀑布が天から注ぎ、ユーリごと腕たちを蒸発させた。 その力はすさまじく、きれいに大地に大穴を開けさせた。何百メートルの深さの穴がその威力を物語る。 だが、光柱は一度だけではなく、何度も同じ場所に降り注いだ。
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