はじめまして、村人さん

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大悟の腕から力が抜け、僕はずるずると木の下に座り込む。 体に全く力が入らなかった。 「俺はソルを助けに行ってくる。お前はここ頭を冷やしてろ。」 そんな僕を一瞥して、大悟は走って去ってしまった。 「信じてたのに。」 正義感の強い彼ならば当然の反応だ。 いや、もしかしたら殴られていたかもしれない。 でも事故だったんだよ。 大悟の役に立ちたかっただけ。 でもこれで終わり。 殺人鬼の僕は大悟と一緒にいる資格なんてないのだ。 「…さようなら。」 激しい音が響く村に背を向けて歩き出した。
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