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20分くらい昔を懐かしみながら歩いていたが、ふと井戸が気になった。
思えば子供の時も井戸には近寄らなかった気がする。
「祐理、どこに行くんだ。」
「ん、井戸。」
コケに覆われ、とっくの昔に役目を終えた井戸になぜか呼ばれたような気がした。
覗き込んでみると意外に深く、真っ暗で底まで見えかった。
「深いな。」
「うん。」
僕たちは何かに魅入られたようにじぃっと底を見つめていた。
その時。
後ろにドンと衝撃が走り、井戸の中に吸い込まれるように落ちていった。
最後に、大悟も同じように落ちてくるのを見て意識を手放した。
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