そして一年が経つ

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結構重たいけど、気に入っている。 剣術や槍術も一通り教わったけど、肉を貫く感覚がどうにも気持ち悪くてなじめなかった。 「白弥さん白弥さん、どこに行くんですか?」 そういえば、目的地を聞いていなかった。…出発してから聞くのも間抜けだけど知らないといけないことだから仕方がないよね。 「あれ?言ってなかったかな?」 「ねぇシロ、伝えておいてって引っ越しが決まった時に言ったわよねぇ。」 え、僕全然聞いてないんだけど…。 「忙しくて忘れてたんだな、って痛い!痛いよ、二人とも!!ああっ、でも両手に花で幸せかもっ!」 左右から白弥さんの腿をつねる。が、後半のセリフを聞いて引いてしまう。夜々さんも白弥さんから一歩遠ざかっていた。僕も少し離れよう…。
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