異常捜査課

4/7
前へ
/10ページ
次へ
遡ること5日前――― 「……はぁ!?」 「と、いうわけで明日から頑張ってくれたまえ」 そう言い残して上司は自分のデスクへ戻った 「……な、納得できません!」 私は上司――警視正、長友 哲(ながとも さとる)のデスクに詰め寄った。 「納得も何も、人事異動なんてよくある話――」 「な、なんで私がダストに異動なんですか!!!」 思わずバンッとデスクを叩く 音が響きわたり、部内の視線は一気に私に集まった 「そんなに嫌なら退職届でも提出するんだな~」 「……っ……!」 私は何も言い返すことができず、デスクに戻ってダンボールに荷物を詰める 「なんで由美なんだろうね…」 話しかけてきたのは隣のデスクの同期。 博田 慶(はかた けい)。 「知らないわよ、そんなの…」 とは言ったが、実は心当たりがないわけでもない。 「…やっぱり、8年前のあの事件――」 「……………」 8年前、世間を騒がせた前代未聞の傷害事件。 犯人は未成年の少年2人と少女1人。 当時13歳という年齢もあって、ニュースや新聞では大きく取り上げられた。 そして彼らは去年、出所した。 「で、さ…これはあくまで噂なんだけど…」 「なに?」 「その犯人と友達になったって本当…?」 思わず詰めようとしていた本を落とした 「は、はぁ?!そんなわけないでしょ」 本を拾いながら訂正する 「由美って嘘へただよね…」 「うるっさい。嘘じゃない。」
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加