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遡ること5日前―――
「……はぁ!?」
「と、いうわけで明日から頑張ってくれたまえ」
そう言い残して上司は自分のデスクへ戻った
「……な、納得できません!」
私は上司――警視正、長友 哲(ながとも さとる)のデスクに詰め寄った。
「納得も何も、人事異動なんてよくある話――」
「な、なんで私がダストに異動なんですか!!!」
思わずバンッとデスクを叩く
音が響きわたり、部内の視線は一気に私に集まった
「そんなに嫌なら退職届でも提出するんだな~」
「……っ……!」
私は何も言い返すことができず、デスクに戻ってダンボールに荷物を詰める
「なんで由美なんだろうね…」
話しかけてきたのは隣のデスクの同期。
博田 慶(はかた けい)。
「知らないわよ、そんなの…」
とは言ったが、実は心当たりがないわけでもない。
「…やっぱり、8年前のあの事件――」
「……………」
8年前、世間を騒がせた前代未聞の傷害事件。
犯人は未成年の少年2人と少女1人。
当時13歳という年齢もあって、ニュースや新聞では大きく取り上げられた。
そして彼らは去年、出所した。
「で、さ…これはあくまで噂なんだけど…」
「なに?」
「その犯人と友達になったって本当…?」
思わず詰めようとしていた本を落とした
「は、はぁ?!そんなわけないでしょ」
本を拾いながら訂正する
「由美って嘘へただよね…」
「うるっさい。嘘じゃない。」
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