念願の高校生

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福吉先生に連れられて来たのは、薄暗い小さな部屋だった。中央に四角い装置みたいな物が置かれ、それ以外は何一つ物がない。 「この装置はね、人の魔力量を数値化して出す装置なの。これを今からあなたに使ってもらいます」 点々とある小さな電球の微かな光を浴びる福吉先生は、なんだかスッゴク色っぽい。薄暗い部屋に、男女が二人。大きなオッパイが二つ。 ………なんだかドキドキしてきたぞ。 「じゃあ、ここに手を置いて、魔力を込めてみて。その魔力の濃度、性質から体内の魔力量を算出するから」 その言葉に、俺の心の内にあるピンク色の何かが静かに消え去っていった。 魔力を数値化する装置、か。俺が魔王だというのがバレてしまう可能性がある…早速ピンチに直面したって訳か…。 ("大丈夫"…だよな) 深呼吸して装置に近づく。 「ふふ、そんなに緊張しなくてもいいのよ?」 装置の上には円があり、その中に手型がある。どうやらここに手を置けばいいようなので、俺はそこに手を置く。 俺の手に反応し、装置が作動し至る所がカラフルな光を放ち出す。 「準備オーケーよ、それじゃ、魔力を込めて」 スッと目を閉じ、魔力を掌に集める。 すると、それに合わせるように装置全体が光り出し正面の空中に光の画面が浮かび上がった。  〇
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