念願の高校生

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「という訳で、今日からこの2年4組の新しいメンバーになった真代くんです。みなさん拍手ー」 拍手を黒板の前で浴びる俺は、自分でもわかるくらい固い表情のまま頭を下げた。同い年の人間にこんなに注目されるなんて初めてだから緊張してるんだろうな、多分。手汗すごいし。 ていうか2年4組って、確か…。 「……あ」 やはり、刀野さんがいた。刀野さんも俺に気付き微笑んでいる。なんて眩しい微笑みなんだろうか、直視出来ん。 「では真代くん、一番後ろの席に座ってください」 福吉先生がこのクラスの担当教師なのだろう、なんという幸運。毎日この大きなおっぱいを拝めるなんて…絶対休まず学校に来よう。 おっぱいに見とれそうになったが、すぐに言われた自分の席に着く。 (……はーっ…) 席に座って眺めた光景に、なんだか感心してしまった。 初めての学校。そして教室の風景。同じ制服を着た生徒たち。席に座ってはっきりと自分がその一員になったのだと実感した。 (よーし、絶対俺が魔王だってバレないぞ。この学校で俺は最高の青春を送ってやるんだ!) 一人ひっそり決意を新たに固め、俺は机の上で拳を握った。
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