念願の高校生

10/26
前へ
/290ページ
次へ
朝の朝礼とやらが終わり、福吉先生が教室から出ていってしまった。確か先生って、各教科を専門で教えるんだよな…福吉先生はなんの教科だっけ、さっき言ってたような…やべ、忘れた。 「真代くん」 「あっ、刀野さん」 長く美しい黒髪を揺らしながら刀野さんが歩み寄ってきた。 「まさか同じクラスになるとは思わなかったよ。キミの魔力なら6組は確実だと思っていたからね」 「?」 どういう意味なのだろうかわからない俺は首を傾げると、刀野さんが続けた。 「ああすまない、この学校の仕組みを知らないんだったな。この学校は魔力の量でクラス分けがされているんだ。魔力推定装置はその判断基準で、魔力が多い人間が入るのが6組で、徐々に下になっていくんだ」 「つまり6組が魔力の多い奴、1組が魔力の少ない奴か…でもなんかそれ不公平にならないか?少ない奴と多い奴をわざわざ分けるくらいだから、それなりに魔力の多い奴らが優遇されてそうなイメージなんだけど」 「確かにそういった物はあるな。魔力の多い人間には魔力の操作の授業が多く、少ない人間はその授業が少ない。それのせいで差別的意識があるのも事実だ」
/290ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6913人が本棚に入れています
本棚に追加