ツンで真っ赤な爆裂少女

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「…で、それ何?」 「一、二年生VS三年生の魔法で争う催し物だよ。俗に言う体育祭の魔法学校バージョンみたいな物かな?」 「ほぇー。ん?て事は体育祭はないのか?」 「うん、やっぱり魔力量の違いで差がついちゃうからね。昔はやってたみたいだけど無くなったんだ」 なんだ、汗で貼り付く体操着の女の子たちは見れないのか。まっこと残念だ。 「一、二年対三年ねぇ、そんなん桐弥っちが出てこられたらムリゲーだろ。桐弥っち対全生徒ならいい勝負かもしれないけど」 「それは僕がムリゲーだよ。ちなみに僕はキョーサイには出ないからね」 「先生たちにハンデのために出るなって言われたのか?」 「いや、来週は勇者に呼び出されてね。そっちに行かなきゃならないんだよ」 「ンガーッペッ!!…あぁなるほどゆーしゃねそりゃたいへんだぁ」 「う、うん…」 耳の穴を小指でほじりながら適当に言う。 でも、そうか。桐弥っち抜きの三年と、一、二年の勝負になるのか。魔法競技祭ねぇ……。内容は詳しくは知らないが、魔法が絡む学校行事はなるべく避けたいのが本心なんだがなぁ。うっかり黒魔法使ってキャーって騒がれると面倒だし…。 「あ、桐弥っち。勇者に伝えて欲しい事があるんだけどいいかな?」 「伝えたい事?」 「おたんこなすって言っといて」 「扇くん勇者に恨みでもあるの!?」 寧ろ恨みしかないであります。
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