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「真代くん、一緒にペアにならないか?」
人混みから俺に向かって真っ直ぐ歩いてきた刀野さんがそう提案してきた。
「いいけど、刀野さんはいいのか?いつも組んでる子とかいるだろ?」
「構わないよ。まぁ私は別にいつも同じ相手ではなく、より多くの人と組むようにしてる。そうすれば誰とでも話せるし、仲良くなれるからな」
この子はホント真っ直ぐでいい子だな。見た目の通り一本の筋がある。
「わかった、じゃあ組もう。あと、別に俺はくん付けじゃなくていいから」
「そうか、なら私も呼び捨てで構わないぞ」
てな訳で刀野さんとペア。早速青春をしてしまっているなぁ。可愛い女の子に優しくされて、手取り足取り教えて貰えて……。
「? どうした真代、何かあったのか?」
「いやいや別に!」
顔をブンブン振ってニヤケ顔をかき消す。危ない危ない。
ペアも決まったところで、福吉先生の指示通り準備運動をし、一通り終えてから先生の指示を待つ。
………ここだけの話、刀野さんは性格からしても真面目だから真剣に準備運動をしていたんだが、もう距離が近いわ髪の匂いがするわ体は柔らかいわでドキドキでござった。
あっ顔にやけてないか確認しとかないと。
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