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すでに周りのみんなはおのおのキャッチボールを始めている。野球ボールくらいのもあればバスケットボールほどの大きさのある魔力体があちらこちらへ飛び交っているのが見える。
「魔力体より魔力を強くすればまず問題はないが、弱すぎれば魔力体が破裂するか、自分の体にダメージを負ってしまう。見た目は簡単だが、なかなか危険が伴うから注意する事だな」
「ほほぅ、なるほどね」
刀野さんに言葉を返しながらふと視線を向ける。その先では6組の連中がキャッチボールをしていた。
しかし4組の違う点があった。スピードだ。
山なりに放る4組と違い、まるで野球のピッチャーみたいに豪速球で投げている。しかもキャッチした側もすぐに豪速球で返している。
ただ"投げている"のではない、魔力体を掌の魔力を使って打ち出すように放っている。
男子も、女子も。気になったのはそれを"ただ行っている"のではなく、"こちらに見せつけている"ように見える。
まるで、レベルの違いを見せつけるように。
「……『自分はすごいんだよアピール』が露骨だなぁ、やってる事はそんな大した事でもないのに」
つい素直な感想を口に出してしまった。
それがいけなかったようだ。
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