念願の高校生

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「おい、お前なんか言ったか?」 6組の男子が一人、俺を真っ直ぐ見据えてそんな事を言った。 俺は咄嗟に顔を背け、口笛を吹きながら誤魔化そうとしたのだが、 「あいつ見た事ない顔だな、転校生か?」 「なるほどな、だからレベルの差もわからずにそんな生意気な事が言えたのか。ならしょうがねぇな」 6組の連中が声を出して笑い出した。俺は口笛をやめて再び顔を向ける。 「よく覚えとけ転校生。確かに魔力は鍛えれば強くなるし増えもするが、だからってそう簡単に上のクラスになれる訳じゃねぇんだよ。そう簡単に埋まらない差があるから、こうしてクラス分けがされてんだよ」 「まぁまだお前らはいいじゃねぇか。1組の奴らなんか可哀想だぜ、どう足掻いたって6組なんかにはなれねぇんだからな。あっ、でもそうでもねぇか、何年も留年すればできっかもなぁ」 再び笑う6組の連中に、4組の連中が顔を曇らせたりしかめたり怒りに歪めたりしている。 しかし、彼女だけは違った。 「そうやって馬鹿みたいに付け上がっていたら、いずれ足元を掬われるぞ」 さすがは刀野さん。全く臆していらっしゃらない。
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