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しかし、なんというか……、
(これ、俺のせいだよな、やっぱり)
あそこで俺が余計な事言わなきゃ多分何事もなかっただろう。少なくとも、
「私は…そんなつもりなんて毛頭ない……思ってすらない…ただ、ただ私は……」
刀野さんがこんな顔をしなくて済んだだろうな…。
やれやれ、とため息を吐き、頭をかく。事の発端は俺の不用意な発言が原因。刀野さんがあんな顔をする羽目になったのも俺のせい。
とは言え、俺にさして何かが出来る訳じゃない。あいつらを消し飛ばしたって構わないが、そんな事をしてもなんの解決にもならない。
今俺がやるべき事は、穏便に、平和的な方法でもって………、
「なぁ、6組のみなさん、俺とキャッチボールしないか?」
――この天狗どもの鼻を、一本残らずへし折る事だ。
「是非とも6組に所属している人間の力を見せてもらいたくてな。何せ俺転校生だから」
「…はは、おもしれぇ事言い出したぜこいつ」
ヘラヘラと笑う6組に、俺もニッと笑ってみせる。
「なら俺が相手してやるよ。転校生に手ほどきってのをしてやる」
金髪の男子生徒が前に出てそう言葉にした。相変わらずの舐めた態度と面のままで。
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