念願の高校生

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「……偶然、か。偶然出来てしまったという事は、黒魔法はそれほど難しくないという事なのか?という事は、私たちにも出来たりするのか?」 おっとぉ…?これはちょっと嫌な予感がするなぁ…。 偶然出来てしまった=発動条件は結構簡単だと思われてしまう。もしこれで教えてくれとか言われたりして、黒魔法が使える奴がいる~みたいな噂が広がったら注目されかねん…。 (……………) 「まず無理だな。不用意に使うと大変な事にもなるし」 「大変な事?」 「全身の血管が軒並み破裂。臓器や筋肉もズタボロ。おかげで最初に使った時、赤色のペンキを被ったみたいになったよ」 息を飲む気配があちこちで感じられた。刀野さんも同じく息を飲み、目を見開いている。 「その時はなんとか生き延びたけど、はっきり言って使わない方がいい。黒魔法なんてなんの役にも立たないし………魔王と同じ力なんて、使いたくはないだろ?」 「…………そうだな」 刀野さんも納得してくれたようだ。こ、これでなんとか逃げれたか…ふぅ。 福吉先生に向き直り、一度頭を下げてから、 「すみません、授業を止めてしまって」 「あ………い、いえ」 「六組のみんなも悪かった。さっきので十分すごいってわかったよ、生意気言ってごめん」
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