ラブコメしたいが、その前に…

2/36
6909人が本棚に入れています
本棚に追加
/290ページ
転校してきてから二日目、俺は険しい面持ちで学校に登校していた。 さて、もう知っての通り、俺は魔王でありながらそれを隠し、夢に見ていたハイスクールライフを送り始めたのだが、一日目にして問題が生じた。 別に正体がバレたとかではない。だが、これは俺にとっては由々しき事態だ。 俺が通う高校に、勇者の仲間がいる。 魔王である俺にとって勇者どもは石を投げ付けたくなるくらいに嫌いな連中だ。 よって俺が取るべき行動……女の子たちとのキャッキャウフフなスクールライフよりも先にやらねばならん事……それは……。 (そいつの正体を掴み、陰湿で悪質なイタズラをしてやる…!) フッフッフッ、昨日は転校初日だったからおとなしくしていたが、今日は違う。この俺さまがやるからには生半可な事はしない、もう二度と学校に来たくなくなるようなイタズラをしてやるぞ! だがまずは、その勇者の仲間がどんな奴かを確認しなくちゃな。 (刀野さんにでも聞いて………………おっ?) 前方を歩く金髪頭を見つけ、俺は足音を立てずにそいつの背後に駆け寄って、 「オーッス田上っち!!」 「イテッ!?お、お前、昨日の転校生!?」 「真代だよ、真代 扇。田上っちはこの道いつも通ってんの?」 「…何馴れ馴れしくしてんだお前」 「なーに言ってんだよキャッチボールした仲じゃん田上っちー」 「その田上っちってのやめろ」
/290ページ

最初のコメントを投稿しよう!