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二年六組の田上っちは俺に冷たい目を向けながら窘めてくる。がしかし、俺は気にしない。
「田上っち一緒に学校行こうぜ」
「だから、馴れ馴れしくすんじゃねーっつってんだろ。俺はお前とダチになったつもりはねぇんだぞ」
「言葉を交わせば友達、理由はいらないんだゼ?」
「なんだその良いこと言ってやったみたいなドヤ顔。やめろウザい」
「ひ、ひどいッ!昨日はあんなに仲良くしてたのになんで今日はそんなに冷たいの!?俺たちは一時限りの仲だったの!?」
「バッバカ野郎何言ってんだデカイ声で!つーか勘違いされるような事言うな!!」
「じゃあ一緒に学校行こうぜー」
「…………チッ、わかったよ」
「じゃあ俺たちは友達だな。田上っちジュース買ってきてよ」
「お前友達とパシリの違いわかってるか?」
田上っちはつれない態度のままだが、ちゃんと受け答えはしてくれる。やったぜ友達ゲット!やっぱり時には強引さも必要だって事だな!
「なぁ田上っち」
「その田上っちってのやめろ。いやマジで」
「俺たちの学校にさ、勇者の仲間がいるんだろ?」
「スルーしやがった…………あぁそうだよ、三年に一人」
「へーマジだったのか。田上っちはどんな奴か知ってんの?」
「当たり前だろ、つか、この辺に住んでて知らない奴なんか多分一人もいないぞ」
「俺知らないもん、フフン」
「だからなんなんだよそのドヤ顔すげーウゼー」
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