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昨日ぶりの俺の学舎が見えてきた。さぁ今日はどんな一日になるんだろう…そんな事を思いながらも隣の田上っちと喋りながら歩く。
「で、そいつってどんな奴?見た事あるんだろ?」
「ああ、そりゃあ同じ学校だし、勇者パーティーに選ばれる前から有名だったからな。つか、なんかさっきからすげー興味津々だな」
「まぁね。ちょっとやりたいことがあって」
「やりたいこと?なんだそりゃ」
小首を傾げながら田上っちと校門を潜り、学校の敷地へと踏み込む。
「三年何組なんだ?ちょっと見てみたいからさ」
「なっ、何考えてんだお前!」
「何が?」
急に田上っちが声を荒げた。
「いいか、あの人の気に入らない事は一切しちゃダメだ。それはこの学校の暗黙のルールで、教師たちもそれを守ってるんだ」
「先生たちも?いくら勇者パーティーだったからって先生までへりくだったりしないだろ」
「世界を救った英雄の内の一人なんだぞ。教師たちだって力では敵わないんだ、下手に刺激したら何されるか………ッ!!」
田上っちは俺から目を逸らしたかと思うと、ギョッと目を丸くして肩を跳ね上げた。俺はその目が向く先に顔を向けて何があるのかを確認する。
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