ラブコメしたいが、その前に…

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学校の外を歩く、一つの群れ。その先頭を悠々とした態度で歩いているのは、赤い髪の男だ。 チャラチャラしたアクセサリーをあちこちに付け、制服ではなく私服を着ている。取り巻きのような連中は制服を着ているから、歳も変わらないみたいだしあの男も生徒なんだろ、多分。校則違反上等って感じだな。 他の生徒たちはその男に気付くや否や道の端に寄ってジッとしている。 (もしかして、あいつが?) 首を傾げてそう思い、そいつが校門を潜り抜けた――――直後、凄まじい魔力の反応に全身が総毛立った。 魔力を極限にまで抑えてたから感知能力もショボくなっていたらしい。この距離まで近付かないと自然のままでは感知出来ないのか……でも。 (どうやら、ビンゴみたいだな) 「…ん?あれ、田上っち?」 気づいたら田上っちがいない。探してみれば今俺が立っている整備された道の端っこまで移動して直立していた。俺が田上っちに気づいたのを知って、田上っちが必死に「こっちこい」と手招きしている。 「…………ふむ」 一人頷き、腕を組んで考える。その間田上っちが口パクでずっと呼んでるが敢えて無視する。 「おいッ!!」 鋭い声が至近距離で聞こえ、声の主に目を向ける。
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