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赤髪の男の身長は俺よりもずっと高い。自然と見下ろす形になった目を真っ直ぐ見据えていると、男の唇が開いた。
「―――…ん?」
視線が左へと流れた。見えたのは茶色い壁…いや、これは、巨大なハンマーかな?俺の上半身くらい軽くぶっ叩けるほどの大きさのモノだ。
「おいマジか――」
大気の唸る音を鼓膜に叩き込まれながら呑気に呟いて―――空振りしたハンマーの持ち主を遥か真上から見下ろす。
バヂッ、と電気が弾けるような音を宙に浮いた俺の足元から聞きながらハンマーの持ち主を見てみれば、俺の後ろにいたオッサン男子だった。
(………っと、ヤバッ――)
いつの間にか追い付いていた赤髪男の取り巻きの別の二人が眼前にいた。一人は帽子のつばを後ろにして被った男子で、一人は金髪ロングの女子。胸元はだけすぎて谷間がすっごい…コホン。
その二人が形の違う棍棒のようなモノをそれぞれ左右に振りかぶり、俺へと繰り出してきた。
(――また咄嗟に黒魔法使っちまったな。まっいいか)
左右から迫る棍棒にそれぞれ片手ずつ向ける。掌に触れるか触れないかまで接近してきたそれを一瞬にして"消滅"させ、帽子を被った男子を蹴るようにして下へと加速して降下する。
ちなみに、降下中に金髪女子のスカートの中が見えた。朝から眼福だぜぃ…。
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