ラブコメしたいが、その前に…

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着地する直前で、再びオッサン男子が巨大ハンマーを頭上に振りかぶって迫ってきていた。着地時を狙うとはエグいなぁ、ちゃんと手加減してくれるんだよね?下手したら大怪我しちゃうよ? しかもそれ、振り下ろすんでしょ?俺が避けたら綺麗な学校の道がぶっ壊れちゃうじゃんかよ…………しゃーないなぁもう、一回も二回も一緒だよな。 頭上から落ちてくるハンマーを見据えて、俺の魔力を直接ぶち当てる。 一瞬にして漆黒に染まったハンマーに拳を突き上げながら、ポツリ。 「【ブラックユーモア】」 ただ拳を上げただけで、力は必要なかった。真っ黒になった【顕現魔装】のハンマーと拳がぶつかっただけで、ハンマーは黒の破片となって俺を包むように散らばった。 「…………なっ」 「いきなり何すんだよ、俺はただあの人に話しかけただけだってのに」 赤髪男の取り巻きだけではない、周囲にいた生徒たちまで唖然としていた。俺は硬直しているオッサン男子の横を通り、棍棒で殴りかかってきた男女二人の間を通り、再び赤髪男の正面へと立つ。 「で、さっきの質問なんだけど、どうなのかな?」 赤髪男も、目を見開いたまま固まっている。こいつも勇者パーティーだったんなら黒魔法くらい見てただろ…。
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