6912人が本棚に入れています
本棚に追加
着地する直前で、再びオッサン男子が巨大ハンマーを頭上に振りかぶって迫ってきていた。着地時を狙うとはエグいなぁ、ちゃんと手加減してくれるんだよね?下手したら大怪我しちゃうよ?
しかもそれ、振り下ろすんでしょ?俺が避けたら綺麗な学校の道がぶっ壊れちゃうじゃんかよ…………しゃーないなぁもう、一回も二回も一緒だよな。
頭上から落ちてくるハンマーを見据えて、俺の魔力を直接ぶち当てる。
一瞬にして漆黒に染まったハンマーに拳を突き上げながら、ポツリ。
「【ブラックユーモア】」
ただ拳を上げただけで、力は必要なかった。真っ黒になった【顕現魔装】のハンマーと拳がぶつかっただけで、ハンマーは黒の破片となって俺を包むように散らばった。
「…………なっ」
「いきなり何すんだよ、俺はただあの人に話しかけただけだってのに」
赤髪男の取り巻きだけではない、周囲にいた生徒たちまで唖然としていた。俺は硬直しているオッサン男子の横を通り、棍棒で殴りかかってきた男女二人の間を通り、再び赤髪男の正面へと立つ。
「で、さっきの質問なんだけど、どうなのかな?」
赤髪男も、目を見開いたまま固まっている。こいつも勇者パーティーだったんなら黒魔法くらい見てただろ…。
最初のコメントを投稿しよう!