6913人が本棚に入れています
本棚に追加
「何を考えているんだ!勇者のパーティーだった人間に喧嘩を売るなんて!」
机に両腕をダラ~ンと投げ出している俺の正面で、刀野さんは腕組みしながらお怒りになられている。怒った顔もまたいい物だ。
「別に喧嘩なんか売る気はなかったよ。ただちょっと話そうとしたら取り巻きの金魚の糞どもが襲ってきたから反撃しただけだし……って、なんで刀野さんがその事知ってるの?見てたの?」
「そこら中で噂になっているぞ。『転校生が勇者パーティーに喧嘩を吹っかけた』とな」
「ん~~、あんま目立ちたくないんだけどな~まぁ噂になっちゃったんなら仕方ないけど」
現在昼休み、俺の額にはガーゼが貼られている。当然原因はあの赤毛野郎のデコピンで、俺はあれのせいで三限目までずっと保健室のベッドの上で気絶してたからな。
「あの魔王を倒した勇者の仲間だから話してみたいという気持ちはわからなくもないが、いきなりはいくらなんでも無礼だぞ真代。ただの先輩じゃないんだからな」
「刀野さんまでヘコヘコしてんの?たかが勇者パーティーの一員だからってそんな気ぃ使う事ないじゃん」
「何?」
「第一魔王を倒したのは勇者一人で他なんか何してたか知らないし」
「……な、何を言ってるんだ?魔王は勇者とその仲間たちが力を合わせて倒したと勇者本人が言っていたじゃないか」
最初のコメントを投稿しよう!