念願の高校生

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さて、気になっている人もいるだろうが、高校生になる俺の歳、実は16歳なのだ。普通に学校に通っていて何もおかしくない歳だ。 俺が魔王になったのは12歳の時。孤児だった俺を育てた悪魔によって無理矢理そうさせられたのだ。 産まれた時から膨大な魔力を秘めていた俺にピッタリだと勝手に祭り上げたそいつは、勇者の仲間たちに殺された。 別に怒ってはいない。俺の魔力の強大さをそこかしこに見せ付けて世界を支配しようと考えたのはそいつなんだ。俺の意思で支配したんじゃない。 第一興味ないしな、世界征服なんて。 てな訳で晴れて自由になった俺は念願の学生になるんだ。 新品の制服に身を包み、ネクタイをしっかり絞め、魔力を全身全霊で抑え込み、俺は踏み込む。 これから俺が楽しむ学舎へと。 ここは、魔法が存在する世界。 全ての者が魔力を持ち、魔法が社会の一部となった世界。 世界を支配していた魔王が、こっそり紛れてハイスクールライフを送る、そんな世界。
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