念願の高校生

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振り下ろした挙動によりスカートがフワリと浮かび上がり、真後ろにいる俺の眼球に純白の下着に包まれたお尻が見えた。 (はっ初パンチラッッ!!) 綺麗に真っ二つにされた魔力は切った本人から斜め後ろに左右に分かれ、パンツを凝視する俺の後方へて飛んでいった。 ………っと、パンツどころじゃねぇな。誰かは知らないけど、ぶった切ったのはまずったな。 切られた魔力体の半分が、女子生徒の方へと向かっていたからだ。 その女子生徒も魔力体を防ごうと手に魔力を込めるが、あれじゃ間に合わない。 という事で。 クッ、と。目に力を込める。睨み付ける魔力体に見えない魔力を突き刺すように集中させる。すると、刺激を受けた魔力体は風船のように女子生徒の間近で弾けて消えた。 一息ついた所で視線を元に戻す。 背を向けて立っていたのは、背中まで伸びた流れるような綺麗な黒い髪をした少女だ。日本刀を右手で横に軽く振ったその子は、 「こら!人に危害を与えるほどの魔力を校門の近くなんかで放つんじゃない!扱うなら細心の注意を払え馬鹿者!」 「わっ悪い…!」 男子生徒二人は少女に頭を下げて謝罪し、走って校舎の方へと逃げるように去っていった。 「まったく…」と吐き捨てるように呟いた少女が持つ抜き身の日本刀が光に包まれ、やがて消滅した。
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