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「優帆ちゃん…あのね」
どうしても気になった私は、徹がお風呂に入っている間に聞いてみる。
「えー。それ、あれだよ。あれっ」
…うるさいし…あれって何?
わかんない…。
「キス…したんだよ」
「…っっ」
あの柔らかいモノが徹の唇?
…キスなの?
どうしよう…頭が痛い…。
「教えてくれてありがとう…バイバイ」
私は一方的に切った。
そして、お風呂に向かう。
ガラ。
徹が入っているにもかかわらず、扉を開ける。
「…え?…恵?どした?」
「…あっっ…わっっ」
徹の上半身を見て、我に返る。
…何をしてるのだ…私は。
「徹…柔らかいモノって…唇だったんだね」
「…え?…あ…あぁ」
…何でわからなかったの?
したことが無かったから…わからなかった。
「ごめんなさい…。…私で…ごめんなさい」
「ちょっと、待って…。何でごめんなさい?」
慌てる徹の声が頭上でする。
「だって…。住ませてもらってるだけなのに…キスして」
「し、仕方ないよ。ハ、ハプニングだったし」
それだけど…。
徹には、マフラーの人が…。
私は、見ず知らずの子だから…。
「嫌だったでしょ。…ごめんね」
「え?…嫌じゃなかった。…じゃなくて…これも違う。とにかく、嫌じゃないから安心して」
…良かった…嫌じゃなくて。
でも、キスって…好きな人としかしないよね。
なんで…嫌って言わなかったのかな?
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