涙の理由(徹side)

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「…う…カ…バカ」 …え?どうして…泣いているの? 恵が泣く時は大抵家絡みの事だけど…。 今回は…分からない。 てか、今バカって言われた。 「もう…徹なんか知んないからっっ」 え?ちょ…さっきから恵…おかしい。 バコ 「いっ…。…箱?」 箱がお腹に当たり、痛がっていると恵がバタバタと出て行ってしまった。 「…恵?…おい…恵っっ」 俺の声を完全に無視した。 あんなにムキになる恵は初めて見る。…かも。 恵に投げられた箱をテーブルに置いて、俺は椅子に座る。 「…恵を怒らすこといったけ?」 頭の中で考えるけど…何も浮かばない。 「あー。…恵どこ行ったんだろう」 恵から電話やメールがいつ来てもいいように、俺は携帯を握り締める。 てか、さっきから恵の事ばっか考えてない? まぁ…一緒に住んでるんだし…当たり前か。 いや…でも。 いつから恵は俺にとって大切な人になってたんだろう。 …なんて色々な事を考えている間に携帯に電話が掛かってきた。 「恵っっ」 名前を叫び、俺は急いで出る。
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