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夢と現実
徹からメールで先にご飯を食べててってきてた。
…寂しい。
でも…会えなくて嬉しいかも。
昨日のことで、少し会いづらいから。
「…嫌じゃないよ…」
キスってわかった後、徹に言われた一言。
私も嫌じゃないよって…言おうとしたけど…。
言えなかった。
ザプン…。
10分ぐらい浴槽に浸かってたけど、熱くなって上がる。
「バス…タオル」
見つけて体を拭く。
そして、着替えを探す。
「…向こうに忘れた…」
そういえば…ここに来た時も着替えを忘れた様な。
…懐かしい。
私はタオルを体に巻きつけリビングへ行く。
「…徹?」
ソファーには、スーツで寝ている徹が居た。
「…ん……」
寝返りうった…。
…可愛いって思っちゃった。
私は着替えを取るのを忘れて、徹の近くに行く。
「徹…あのね。…私も…嫌じゃ無かったよ」
素直に好きって言えたらいいのに。言えない自分に腹が立つ。
だからね…。
「…徹…好きだよ…」
…言っちゃった。
誰も見ていないのに赤くなる。
「徹…」
名前を呟き手を握る。
大きくて…優しくて…暖かい手。
大好きな…大好きな手。
「…恵?」
起きたの?
「今、好きって言わなかった?」
「…え?…ぅ…あ…」
どうして?
…聞こえてたの?
今…寝てたじゃんか。
「耳元で言われた気がしたから。…夢?」
「ゆ、夢じゃない?…ゆ、夢」
明らかにおかしい態度の私。
何回噛むの?ってぐらい噛んでる。
あーもー。頭がパニックになる。
「本当にそう?」
ピト…と頬に手を当てられる。
…あ…我慢できない。
現実ですって。言いましたって言いたい。
は、白状したい。
「俺はさ…」
徹が何かを言いかけたと同時に、運がいいのか悪いのか…バスタオルが落ちる。
「……っっ」
「……っっ」
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