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お父さん
「めぐちゃん…朝だよ。起きて」
「…ん…朝?」
「うん。ほら、おはよう」
「…おはよう」
どうして…優帆ちゃんがいるの?
いつもは、徹がいるのに…。
…思い出した。
昨日…家出したんだっけ?
「ごめん。昨日…急に家に来たりして」
「全然いいよ。めぐちゃん…携帯かして」
「…いいけど」
忘れた私の携帯を手にした優帆ちゃんは慣れた手つきで、操作していく。
…使い慣れてるな。
「はい、ありがとう。あと、雨宮さんに迎えに来てもらうように、メールしたから」
「…え?」
…いや…グーじゃなくて。
どうしよう…昨日の今日だから会いづらいというか…。
喋りづらいというか。
顔を合わせれるか問題なんだけど…。
「ママが朝ご飯用意してくれてるから…行こ」
「うん…」
…私は頭の中で、徹とどう話せばいいのか考えていた。
考えながらご飯を食べる。
徹が作ったみたいに温かかった。
「昨晩からお世話になりました」
「いえ。娘が増えたみたいで、とても嬉しかったわ」
私は優帆ちゃんのお母さんにお礼を言って玄関を開ける。
「…徹」
そこには、私があげるはずだったマフラーを巻いている徹がいた。
「恵…マフラーありがとう」
「…う…ん」
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